いくら商店街にたくさんの人に来てもらってもお客さんの欲しい物が無ければ売上げは伸びません。
ここでしか買えない商品を作ればお客さんは探してでも来てくれるので、量販店との価格競争になることもありません。こうして生まれたのがとごしぎんざブランドです。
とごしぎんざブランドは平成11年に第1号の純米酒の発売から始まりましたが、当時は商店街のオリジナル商品自体が非常に珍しかったために様々なメディアで取り上げられました。
戸越銀座商店街は今では全国各地で実施されている商店街ブランドや一店逸品運動の先駆者といえます。
しかし、とごしぎんざブランドには多くの一店逸品事業と大きく異なる点があります。それは、その出発点が産品づくりという発想ではなく、地域そのものをブランディングするという点です。
ブランド力のない商店街のお店がいくら店主のオススメといって商品を販売しても、それを欲しがる人は誰もいません。
それをきちんと理解した上で、「戸越銀座」の知名度をあげることを最優先としてブランド事業を進めてきました。
統一のロゴをつくり、プロモーションのために地元ケーブルテレビでCMを流し、パッケージには戸越銀座商店街の由来が記されているなど、様々な工夫がなされています。
パッケージの完成度を高めることも重要視しており、自家消費分以外の贈答品としての需要に対応し、販売店の売り上げ増加に貢献しています。
その他、物品を販売していないお店でも「戸越銀座の電気屋さん」「戸越銀座の洗たく屋」など、戸越銀座と名前が付いているお店もあって、とにかく「戸越銀座」という地名が露出するような取組みを数多く行ってきました。
近年、商店街に観光を目的として来訪するお客さんが増加しており、ますますお土産品としてのニーズが高まってきています。